妄想ラブレター
「わたしはただ、いい加減艶子に彼氏が出来たらいいなーって思うわけよ」
「まおちゃんだって彼氏いないのに?」
「二股かけるようなやつに言われたかないけどね!」
「違うよ。今は三股だし」
「もっと酷いわ!」
胸元まで伸びたほんのり黄色味がかったパーマ髪を指先でくるくると巻きながら、愛らしいチェリーピンクの口元を尖らせるえりな。
同じ女子から見ても可愛いと思う。そりゃ彼氏のひとりやふたりくらいいても全然おかしくない。
「っで、艶子はどうなわけ? 瀬戸の事好きじゃないの」
「なんでそーなる」
「だって最近はお昼休み以外、あたし達のクラスに遊びにこないでしょ?」
「いや、元々そんなに行ってなかったし」
まおみ達3人は同じクラスで、あたしだけ隣のクラス。
まおみとえりなとは中学が同じ。
まおみとは昔から仲良かったけど、えりなとは2年の終わりくらいからなぜか仲良くなった。
そして由美子は高校に入って、2人が教室でよく一緒にいるからか、自然とあたしともつるむようになった。
気づいたらたいてい4人でお昼食べるようになってた。
でも、元々休憩中は寝てたいからあまり別の教室に行く事は無かったし、特別用事がなければLINEで用事は済むし。
だから前となんら変わってないと思うんだけど。