妄想ラブレター
「うーん、確かに最近艶ちゃんの登場回数減ったよね」
「えー?」
でも確かに、最近は寝てるかアキと話してるかのどっちかだもんなー。
アキもあんまり席移動しないし。
「やっぱりその席、居心地いいんじゃない?」
居心地……それは良い。間違い無く、良い。
前まで好きだった窓際の席だけど、最近は寒くって余計ねむくなってしまう。けど、アキと話してると楽しいから寒さも吹っ飛ぶ時があるくらい。
「あっ! わたしそろそろバイトの時間だわ!」
「えっ、今日もバイト? テスト前なのに?」
「テスト前だからに決まってるじゃない。みんな休むから人足りないのよ」
勤労少女、まおみ。ほんとよく働くなー。
「あたしもそろそろ行かなきゃ。彼氏と待ち合わせしてるんだー」
「あっそ。どの彼氏なんだか」
「3番目の彼氏かなー」
「サイテー」
まおみとえりなは言い合いながら店を出ていった。