妄想ラブレター
店内に残されたのはまおみが注文したポテトの残りと、由美子とあたし。
由美子は黙々とまおみの置いてったポテトを食べてる。さっき自分の分も食べたはずなのに……やっぱり運動部は食欲も違うのかな。
それなのに太らないって羨ましい。……まぁ話聞いてると部活ハードそうだから、栄養は吸収せず全て消化してるだけなんだろうけど。
「艶子」
「んー?」
カリカリのポテトを探りながら食べてる。由美子はカリカリに堅いポテトが特に好きらしい。
「そのナゲット食べないならちょーだい」
「まだ食うのか」
マジかい。
2つ残ってたナゲットを、もう無言で差し出した。
「艶子ってさ、男友達も多いでしょ? なのになんで彼氏作らないの?」
「……いや、別に多くないと思うけど」
なに、突然。
「そう? 人見知りもしないし、壁も作らないでしょ? 強いて言うなら休み時間は寝過ぎだけど」
「仕方ないじゃん。眠いんだから」
「部活してるわけでもないし、バイトしてるわけでもないし。彼氏でも作ればいいのに」
「そんな気軽に言われてもねぇ……」
由美子が最後のナゲットを飲み込み、あたしはカフェオレを啜る。