妄想ラブレター
アキの靴の上に、何やら見慣れない手紙があった。
可愛いキャラクターが描かれた封筒。
もう冬なのに、水色と白のコントラストでとても爽やかな印象の手紙。
これって……。
恐る恐る手を伸ばそうとした背後で、続々と登校して来る生徒の声が校舎に響き渡る。
気がつけば、あたしの右手は手紙を掴んで駆け出していた。
手紙が2通。
今かばんの中にしまったものを含めて、2通になった。
ーーすぐに誰かに取られちゃうかもしれないんだからね。
突然、まおみの言葉が脳裏に響き渡る。
あたしはトイレの個室に駆け込んだ。
本鈴が鳴る直前まで、そこに籠った。
かばんをギュッと抱きしめながら……。