妄想ラブレター







「ツヤコ大丈夫か?」

「大丈夫」

「でも、なんかいつもと違う気がするんだけど……風邪か?」

「そんなんじゃないって。大丈夫だってば」



1時間目のテストが終わって、いつものように机に伏せるあたしに向かってアキは心配そうな声色で声をかけてくる。


けど今日は放っといて欲しい。アキとも話したくない。



「……そっか、ならいいけど」



そう言ってアキは話を終える。あたしの空気を読んで、それ以上何も言おうとしない。


こういうところがアキといて楽だと思う。



「おーいツヤコー!」



なのに、空気を読めないやつがひとり。


みんな次のテスト勉強してる中、ドタドタと床を踏みならしやって来るこの声は、間違い無くカンだ。



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