妄想ラブレター
焦るあたしをアキは見下ろすように立ってる。
まっ、まさか……バレた、とか?
脈が上がる。窓際の寒い席のはずなのに、妙に手が汗ばんできた。
「……今日、どうする? 体調悪いなら日を変えてもいいけど」
「今日?」
凛としたつり目が、ほんのり心配そうにあたしを見下ろしてる。
けど、その意味がわからないあたしは、眉頭にシワを寄せながら慌てて帰り支度を進めてく。
アキは何を言ってるんだろう?
とりあえず、手紙の事ではなさそうだけど……。
そんなあたしの心境を読み取ったかのように、彼は突然顔を曇らせた。
これは間違い無く、機嫌を損ねたようだ。
でも、なんで……?
「もしかして、忘れてるんじゃないだろうな」
忘れる?
「……なにを?」
あっ。どうやらあたしは追い打ちをかけてしまったようだ。