妄想ラブレター
「今朝、様子おかしかったろ? もう体調は大丈夫なのかよ」
体調……? ああ、今朝はすごく眠かったからね。
それに……。
脳裏に焼き付いて離れない記憶。
今朝、先輩とアキのツーショット。
頬を赤くしたアキ。どことなく嬉しそうに見えた。
ーーツキ。
胸の奥で小さな刺があたしの柔らかいところを突き刺した。
「どうした? 顔色悪いけど、大丈夫か?」
そう言って心配そうに再び覗き込む。
あたしは精一杯笑顔を作ろうと頬の筋肉に神経を集中させるはめになる。
あー、なにやってんだろうな。
「やっぱり調子悪いんじゃないか? 別の日にしようか」
「ううん、大丈夫」
「けど……」
「大丈夫だって。あたし今、すっごく甘いものが食べたい気分なんだから」
少しの間、じっとあたしを見つめてたアキの目がフと角を落とした。
「ツヤコがそう言うならいいけど……。じゃあ、行こうか」