妄想ラブレター
そっか、アキはチャリ通だったっけ。
しばらくの間、見えなくなったアキの後ろ姿を見つめていたあたしの背後から、囁くように言葉が飛んで来る。
「みーたーわーよ~」
思わず小さくジャンプして、ゆっくり背後を振り返った。すると目と鼻の先にまおみがいた。
こんなに近くまで来てたのに、全く気づかなかった……。
「びっくりしたー! 脅かさないでよ」
「驚いたのはこっちよ。なに? 一緒に帰るの?」
にやついた表情で肘をグリグリと押し付けてくる。
「一緒に帰るっていうか……前に言ったでしょ。スターツスイーツ食べに行くんだってば」
「ああ、そっか。今日だったわね」
そう、今日だったんだよ。あたしも忘れてたけど。
「まぁ、なんにしろ楽しんでらっしゃい〜」
にやついた表情でまたあたしの腕をグリグリと押す。