妄想ラブレター



「はははっ!」

「……どんだけ笑うんだよ」



気でも狂った?



「いやなんか、こーいう感じ久しぶりな気がして」



あたしは後ろからアキの顔を覗くように身を乗りだした。


そしたら……。



「うわぁ!」

「えっ!? ツヤコ?」



身を乗りだした瞬間、前方から来た自転車にぶつかりそうになって慌てて身を引こうとした瞬間、ガクンと大きく体が揺れた。


それに驚いて思わず体が後方へ引っ張られそうになって……落ちるかと思ったわ。



「大丈夫か?」



自転車を止めて、上半身ごと振り向いたアキの顔は驚きと何が起きたのかわからないといった不思議そうな顔。



「大丈夫。一瞬落っこちそうになっただけ」

「だから言ったろ。ちゃんと掴まれよって」



掴まってたってば。ただ色んな要因が重なって、上半身持ってかれそうになっただけだって。


だからそんな怖い顔して怒んなくてよくない?



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