妄想ラブレター



扉を開けた先には再び可愛らしい店内に、相変わらず込み合う人、人、人。


小さなお店だからか、少し狭く感じる廊下を抜けて、入り口付近に座るアキの元へと向かう。


足を組みながらメニューとにらめっこしてるアキ。


そっと遠くで見ていたい衝動に駆られるけど、これ以上戻りが遅くなったらマジでお腹下してると思われてしまう。


それだけは阻止したい。



「アキ、お待たせ」

「おお、大丈夫か?」

「うん、寒いとトイレが近くなるからね」

「無理すんなよ」

「大丈夫。あたしお腹だけは強いから」

「ははっ、なんだそれ。ツヤコ、体だけは丈夫そうだもんな」

「アキ……じじくさい」



おっと、これは心の声。


けど、残念。すでに言葉を放った後だ。



「万年寝太郎に言われたくないけどな」

「なにそれ」

「ばばくさいって事」



どこが。こんなに寝れるっていうのに。


たくさん寝れるって事は若い証拠だって昔、誰かに言われた事あるんだからね。



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