妄想ラブレター



「……おれには、言えない?」



枯れ葉がはらりと落ちた時のような、どこか哀愁があり、どこか弱々しいような物言いだった。


思わず窓の外から視線を外して、目の前に座るアキを見やる。けど、今度はアキの方が窓の外へと視線を移してた。

テーブルに肘ついて遠くを見るような目で。



「だから、なんにもないんだってば……」



そんな風にすねないでよ。そんな風に言われたら言いたくなるじゃんか。


あたしは、アキが好きなんだって。





…………なんて、言えるわけないけど。





あれだけたくさんラブレターを書いたのに、全然意味無い。お遊びだったから書けたけど、これが本当に告白をする為ってなったら、あたしはきっとペンを持つ手が止まってしまうんだろうな。



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