妄想ラブレター
妄想ラブレター

*はなれ離れ







あれから、アキとはたいして会話をする事無く、冬休みに入った。


テストが終わり休みが明けた翌日、朝のホームルームで席替えがあった。


あたしの新しい席は廊下側の一番前の席。入り口の近くだった。


アキは教室の真ん中に位置する場所の一番後ろの列。


……見事に離れてしまったな。


席を離れる時アキは振り返り、一言。



「……離れちまったな」



そう言って微笑んだ表情はどういう意味だったんだろう。


あたしも言葉を返そうとしたけれど、「うん」なんていう相づちしか出てこなかった。


あれだけしつこく言ってきてた手紙の交換についても何も言わなかった。


もうやめるって事なのかな。


あたしがあんな事言ったから?

それとももう飽きた?

もしかしたら暇つぶしにもなってなかったとか?



なんにしても、あたしが書いた手紙を出す事はもうなかった。






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