妄想ラブレター



「あんなに仲良いのになんで? 艶ちゃん達、絶対変だよ」



ほっとけ。


そうは言われてもあたし達はラブレターを交換し合ってたから、連絡先を聞くのはどこかタブーのように思ってた。

たぶんだけどアキもそう思ってたんじゃないかな。だからお互いに連絡先を交換しようって話にならなかったんだと思う。

その上、席が近かったから何かあれば直接話せば済んでたし……。まぁ、それももう出来ないんだけど……。



「ねぇ、本当に艶ちゃんは瀬戸の事、好きじゃないの?」



ぎくり。


思わず顔が引きつったのが自分でもわかる。けど、それを見逃すほどえりなは甘くない。



「……やっぱり」

「な、にが、やっぱり……?」

「艶ちゃん、瀬戸の事好きなんじゃない」

「そっそんな事ないよ」



ああ、顔がギシギシいってる。強ばって上手く動かない。


大きな瞳はこれでもかって位に細めてじっと見つめ続ける。

やがて「はぁ、」と小さく溜め息をついたかと思うと、再びミルクティをひと口すすった。



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