妄想ラブレター
「あたしと艶ちゃんは違うんだから、別に数じゃないと思うよ。ただひとつだけ言うならーー失敗を恐れない事。それだけ」
ぬるくなったカフェオレをひと口すする。カップの中にある白濁色の飲み物はあたしの表情までは映さない。
でもそれでいい。
それがいい。
きっと今、浮かない顔をしてるに決まってる。
失敗を恐れない……。
えりな、ごめん。あたしには出来ないや。
だってアキがあんな顔して想いを寄せる相手に勝てるわけないし。
アキがくれたラブレター。その中には先輩への想いがたくさん綴られてる。
一途で、純粋な……恋心。
あの想いを知ってるだけに、あたしに勝算はないんだよ。