妄想ラブレター
「それってさ、サッカー部のマネージャーの事だよね?」
「マネージャー?」
相変わらず視線はどこかを向いてる。
そんなえりなの横顔を見つめながら頭の中で言葉がうごめく。
サッカー部のマネージャー? 先輩が? 初耳なんだけど。
「マネージャーって、どんな人?」
「先輩だよ。雪村先輩って人」
マジ? 先輩マネージャーしてたんだ。
「ってか艶ちゃん知らなかったの?」
「知らないよ、そんなの」
さっきまでどこかを向いていたえりなが、信じられないという様子であたしを見つめる。
……ちょっと非難じみた目で。
「ライバルの事調べないでどーするの」
いや、そんなの知ってどーすんのよ。