妄想ラブレター



「というか、えりなはなんでそんな事知ってんの?」

「だって瀬戸ってばちらほら人気出てきてるでしょ? だから瀬戸が好きな人の話も勝手に耳に入ってくるんだよ」



そうなんだ……。

でもあたし、先輩がサッカー部のマネージャーだって知らなかったんだけど。

そういう噂もあたしの耳に入ってきててもおかしくないよね? 普通は。


そう思ったあたしを、えりなは一刀両断する。



「艶ちゃんはほんとに無頓着すぎるんだよー。大体近くにサッカー部のカンもいるんだし、情報流れてきててもおかしくないんだからね」

「……だね!」



もう肯定の言葉しか出てきません。


アキに対する気持ちは事はこの休みに入る直前に気づいた訳だけど、だからってこんなにも周りの恋愛事情に無頓着だったとは。

自分って奴は……。



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