妄想ラブレター
「えっ? どうやって?」
その口調はいたずらっ子が親に隠れて悪さを企んでる時の口調だ。
大きな瞳がキラリと光り、えりなは席を立つ。
「ちょっ、どうしたの急に」
頭のてっぺんで大きく結ったお団子が揺れるのをボーゼンと見ていたけど、やがてえりなが何を見てたのかを知る。
「えりなっ!」
えりなの背中を追うように、あたしも慌てて席を立った。
待って、待って待って待って。
ちょっ、ほんとに……待って!
広い店内、建物はビルの構成上、色んなところに角ある。
あたしたちは入り口から離れた席に座ってて、あたしからはちょうど死角で見えない位置にえりなは軽い足取りで進んでく。