妄想ラブレター
「絶対おもしろいと思うんだけどなぁ」
「なにをもってそう思うのかが分からない」
「昔の人は手紙を書くことで想いを伝えてきたわけじゃん? でも今、おれも秋月もそれが不得意だろ?」
「まぁ……というか、書く事だけじゃなく国語自体が不得意なんだけどね」
いや、国語以外もだけど。
「そもそも普通の手紙じゃダメなの?」
それも嫌だけど。
「ダメだろー。それじゃ面白くもなんともないしな」
「ラブレターも面白くはないけどね」
「ほら、前に言ってたろ。青春を謳歌しないと、って」
「だからって、何でそれがこうなんのよ」
「いざという時、素敵な恋文が書けるように、に決まってんだろ」
あー、やばい。
瀬戸が今まで見たことないほどにキラキラしてる。
今日の空は曇ってるのに、目の前でお日様が輝くように瀬戸がやたらキラキラしてる。
どうしよう。
まじでキモいよ、瀬戸。