妄想ラブレター
「おっ、来たきた! おせーぞツヤコ」
遅い? 連絡来てから寄り道せずに来たっていうのに?
「それはカンが連絡してくるの遅かったって事でしょ。人がせっかく来たっていうのに」
ギロリと睨みつけ、カンの元へと駆け寄った。
思いきり足を踏みつけてやろうと思って。
さっきの電話での事もあるから、本当は髪をむしり取ってやりたいところ。
だけどそれは難しい。カンはぐんぐん身長を伸ばしてるせいで、髪を掴む前に逆に首を絞められる。
「悪かったって。おれ達さっきまでバラバラに遊んでたんだけど街中で偶然出くわしてさ、その流れでボーリング行こうってなったんだ」
なんだよその流れ。
一瞬呆気にとられた隙を狙い、カンはあたしの首を腕で締め上げた。
ぐっ、しまった……。
「今、おれの足を踏みつけようとしてたろ?」
「はっ、そんな汚い足、ふむ、か……」
「ほーぉ」
元々細い目をさらに細め、カンはあたしの首をギュッと絞める。