妄想ラブレター
「ツヤコ……マジで壊滅的な下手さだな」
ボーリングの球を投げる瞬間、腕が球の重さに負けて持ってかれそうになって、よろめいた。
頑張って投げた球は迷いなくサイドの溝へと流れ込む。
そんなあたしの後ろからカンはお腹を抱えながらそう言った。
「……だから言ったじゃん」
ギロリと睨む。
同時にボーリングの球を掴んで。
向かう先はレーンとは逆方向。
「おお、気づいてないだろーから言っとくぞ。今のツヤコ、人殺しの目してるからな。とりあえず球、投げる方向はこっちじゃねーからな……」
「あたし下手だから手元狂ったらごめんね~?」
「おいっ、それ悪意あるだろ!」
当たり前だろ。
死をもってして懺悔しろ。