妄想ラブレター
しばらく沈黙が続き、それを破ったのはアキの方。
「悪かったな」
「……え?」
「手紙の事……無理におれの暇つぶしに付き合わせて悪かった」
それだけ言うとあたしから目を逸らし、みんなのところへ駆けて行った。
あたしは馬鹿みたいにその場に立ちすくむ。
人が入れ替わり立ち替わりのボーリング場。レンタルシューズに履き替える人で溢れる中、色んな人にぶつかられよろめきながらも、その場にじっと立ち止まってた。
アキの後ろ姿を見つめながら。
その背中が見えなくなってからも、ずっと。
ああ、これで本当に、終わってしまったんだ。