妄想ラブレター
「なぁ、こいつがサッカー部に戻ってくるようツヤコからも言ってやってくれ」
そう言ってカンは瀬戸の首に腕を回し、抱き寄せる。
2人の身長差がありすぎて、瀬戸は狩りで捕らえられた獲物みたいになってる。
「やめろって。おれはもうサッカー部には戻らねーよ」
カンの腕を振り払い、距離を取る。
なかなか振り払えなかったせいで、瀬戸のちょっとくせ毛っぽいくるんとカールしてる毛先が踊った。
「なんでだよ。お前ならレギュラー取れるって」
「しつけーな。ちょっとやってみようって思っただけだったからいーんだよ」
すると今度は別サイドに捕まえられた。
「まぁ、あれだもんなー。瀬戸がサッカー部に入った理由って、女子にモテるって聞いて始めたんだったよなー?」
「あっ!? ばっ、ちがっ!」
「なにも隠す事ねーじゃん。なぁ、カン?」
「ああ、いいと思うぜー? 邪で単純で可愛い理由じゃねーか、アキちゃん♪」
「う、うるせー!」
身長が低いせいで多方面から男子にもみくちゃにされてる。