妄想ラブレター



「……でも手紙貰ったり、色々情報横流しされて嬉しそうだよね」



あっ。

はぁ? って顔された。



「どこが! これでも毎回困ってるんだからな。あまりにも元カノとの復縁を求められるから、おれサッカー部やめたんだし」

「えっ、それでやめたの!?」



意外な事実。


それは……相当困ってたんだろね。



「でもなんでそんなに頑なに拒否すんの? 復縁しなくても一回会って話したらいいじゃん」

「したに決まってるだろ。けど納得してくれない……元カノ、というより先輩が……」



わぁ。

そりゃすごい。



「だけど、嬉しそうだったじゃん。顔なんて真っ赤にしてさ」

「してないし」

「いや、してたから。今度先輩と話す時は自分の顔鏡で確認するといいよ」



アキが眉間にシワを寄せながら頭を掻いた。



「そりゃ……元カノと付き合ってた時の話を事細かに言われるんだぞ? しかも元カノの姉に。こっぱずかしいに決まってんじゃんよ」

「でも、嬉しそうだった」

「しつこいな!」

「だって、本当の事でしょ」



あたしはそれを見てたんだから。

だからこそアキは先輩の事を好きなんだって思ったんだ。



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