妄想ラブレター
ひんやりと空気の冷えた教室。
廊下側の窓からすきま風が吹き抜けて、あたしはブルルと震えて身を縮める。
冬はまだまだ明けない。まだまだ寒い。
ああ、早く春にならないかなぁ。
でもそしたら、ポカポカして余計眠くなってしまうんだろうなー。
うーん、困ったなぁ……。
「ツヤコ、こら起きろ」
ポコンと小さな音があたしの頭上で鳴る。
トロンとまどろんだ瞼を開けるのは中々骨が折れる。
だから片目だけを開けてそこにいる人物を見やった。
「アキ……何か用?」
見るとそこには、筒状に丸めたノートを握り腕を組んで立ってるアキの姿があった。
「何か用? じゃないだろ。ちゃんと起きて授業聞かないとまた補修になるだろうが」
「んー…………」
ポコン!
「あたっ」
なんて、全然痛くはないんだけど。
「だから寝るなって」
なんか最近、昼寝しようとしたらこうやって叩き起こされる。