妄想ラブレター
「おっ、何だよ、一時はどうなるかと思ってたけど、仲直りしたのかよ」
ガサツな声が後方から聞こえる。
この声、このタイミング。振り返らなくてもわかる。
そして振り返らなくてもあたし達の正面にやって来る人物。
「なんだカンか」
「なんだ勘太郎か」
「なんだよ冷たい挨拶だな2人とも」
カンはアキの肩に肘をのせるが、すぐに振り払われた。
「まぁ、仲直りしたんならいいけどな。それどころか付き合っちまったりしてな、はははっ!」
「……」
「……」
あたしは思わずアキをチラ見する。
そしたらアキも同じくあたしをチラ見した。
どこか照れくさくモジモジしてしまうあたしとは違い、アキはどこか気まずそうに苦い顔をしてる。
そんなあたし達の反応を交互に見つめて、
「……え? マ、マジ…………?」
カンまでも表情が引きつった。
今さっきまで下品なほど口を開いて笑ってたクセに。