妄想ラブレター



……なに、この茶番。


そう思って含み笑いをするあたしには目もくれず、アキは何か考えてる様子。



「……アキ? どうかした?」

「ん? いや」



そう言いながらも、やっぱり何か考えてる。



「おれ、ちょっとカンに話があったんだ」

「話?」



そんな思い詰めた顔して、一体どんな?



「ちょっと行ってくるわ」

「えっ、もうすぐ授業はじまるけど」

「すぐ戻るよ」



そう言ってアキはカンの後を追って教室を出てった。


……なんなんだ、一体。



あたしはそのまま机に伏せて、腑に落ちない気持ちのまま、やがて眠りに落ちた……。




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