妄想ラブレター



「中学からの腐れ縁だからね」

「なぁそれよりこいつ、艶やかな子って書いてツヤコなんだぜ? 名は体を示さなかった良い例だよなー」



大口あけて笑うカンの脇腹を、持ってた鞄の角で思いきりぶん殴る。


そこはちょうど瀬戸が蹴りを食らわせたところだ。



「いっ、ツヤコてめっ!」



地獄に堕ちろ。そう、怨念を込めて殴りつけてやった。


まだ横腹を痛がるカンと他の男子の間をくぐり抜け、自分の席に座る。


いつもは横向いて、壁に背中を預けて座ってる瀬戸が、今日はあたしに背中を向けてる。


やっぱさっきのこと、まだ怒ってる?


瀬戸の背中は身動きひとつしない。振り向く気はないようだ。


まぁいっか。またすぐ話しかけてくるでしょ。


そう思って机の中から教科書を取り出そうとした時、何かがひらりと床に落ちた。



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