妄想ラブレター
マジかよ。
おれは頭を抑えながら廊下を歩く。貧血なんてあるはずないのに、頭の中がクラクラする。
廊下を抜けてそのまま花壇のヘリに腰を下ろした。
「……うわー、マジかー」
思った以上にショック受けてる自分が嘆かわしいったらない。
こうなる可能性は大いにあった。なのにおれは動かなかった。
ずっと踏み出せなかった意気地のないおれが悪い。
……なのに凹んでるとか、マジ情けねー。
「はぁ……」
思わずこぼれた溜め息。けど誰も聞いてないしいっか。
このまま今日はさぼっちまおう。
教室に戻って2人の顔を見る元気がおれにはないからな。
「勘太郎」
背後から聞こえる声。
誰がおれを呼んだのかなんて確認しなくたってわかる。
「なんだよアキ。まだなんか用か」