妄想ラブレター
「ゴミっ……! おれが心を込めて書いたものを、ゴミぃ?」
信じられないって顔してるけど、それはこっちのセリフだし。
「だってそうじゃん。あんだけ国語の勉強になるとか、素敵な恋文を書けるようになる為とか言ってたくせに、なんだそれ。どこに心込めたのか教えてほしいわ」
あっ、すねた。
手に取るように、わかりやすくすねた。
瀬戸はすねるとすぐ頭を掻いてちょっと眉間にシワを寄せて、口元を小さく尖らせる。
正直言うと、瀬戸がすねる様子はちょっとばかり、かわいい。
多分これを言ったら余計怒るだろうから言わないけど。
瀬戸は笑う時とすねた時は一気に子供っぽくなるから、なんていうか母性本能をくすぐられる時がある。
背が低い事を気にしてる瀬戸にそんな事を言ったら、きっと今以上に逆上しちゃうから言わないけど。