妄想ラブレター
大して話した事のないクラスメイト。それが席替えによってこんなに話すようになるとは、ついこないだまで思ってもみなかったなぁ。
フと視線を変えると、そばには放り投げたかばんの中身が飛び出している。
指定かばんのファスナーは普段から締めないせいで、ベッドの上に中身が散乱してる。
化粧ポーチ、ペンケース、ノート、鏡……そんな中、茶色い紙袋が目に止まった。
スターツスイーツ。
これ、ずっと食べたいって思ってたんだよね。瀬戸ってば、なかなかいいチョイスしてくれるじゃん。
むくりと起き上がり、袋を手に取る。お店のラベルが印字されたテープを千切って中を覗いた。
「あっ、かわいい」
中から出てきたのは透明なケースに入ったマカロン。それもいちご型だ。
うすいピンクの丸いフォルムにアイシングで描かれた種、そしてチョコレートの緑色した房まで付いてる。
……なんて少女趣味な。