妄想ラブレター




……瀬戸ってば、そんなに暇なの?



それなら部活続けてれば良かったのに。そしたらエースにもなれたかもしれないし、モテたかもしれないし。なにより暇じゃなかったはずだ。

少なくとも今よりは。


あたしの指は2つ目のマカロンに伸びる。


さっきのは黒い種で、今度のは白い種のもの。


パクリ。


さっき同様に口の中でいちごのソースが広がる。種の色は見栄えの問題だけで、中身に違いはなかった。


モグモグモグモグ。


ああ、おいしい。


おいしい。


けど……。



これ、なにか変な薬でも入ってんのかな。


なんて事をあわれな三日月型に変貌したマカロンを見つめながらそう思った。

マジで。真剣に。


だって、だってさ。


食べれば食べるほど、なんか手紙、書かなきゃいけない気がしてきたから。


絶対何か盛ったに違いない。



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