妄想ラブレター



あまりの驚きと痛みで、どうやら声にならない声を発し、目は出目金のように飛び出してる。



「なんで背中向けたまんまなんだよ。ってかあたしの話を聞け!」

「あ、秋づ……」



顔をしかめながらも引っ張られるがまま、振り向く瀬戸は少しばかり涙目だ。


涙目な瞳と目が合ったのを確認して、あたしは掴んでいた髪を手放した。



「人のこと避けまくってたのは、やっぱり手紙のせいだよね? なんでそこまで避けんのよ」



自己満でそこまでするなら貫き通せばいいじゃんか。



「……だって、相当嫌がってたし」



けど、書いてきたんだね。わかっててなお、書いちゃったんだね。



「そうだけど、そぉおなんだけどぉ〜……はい!」



あたしは瀬戸の胸に持ってきてた手紙を押し付けた。


そしたら、めっちゃ驚いてる、驚いてる。まぁ、無理も無いよね。もうこれっきりだと思ってたはずだもんね。


あたしだって瀬戸から手紙貰うなんて思ってなかったから、すごく驚いたわけだしね。



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