妄想ラブレター
「……いや、いない」
瀬戸くんは茶色い髪をくしゃりと掴んでそう言う。
「なんだ、そっかぁ~。お互い青春を謳歌しないとねー」
なんてあくびを噛み殺しながらそう返す。
昨日は遅くまでマンガ読んでたせいですごく眠い。しかも今日はほんと日差しが温かくてちょうど良くて、絶好のお昼寝びより。
だからとても眠い。
「なぁなぁ」
机に突っ伏して間もない頃、再び前の席から瀬戸くんが声をかけてきた。
「んー?」
瀬戸くんってこんなに話す人だっけ?
いや、今までは遠目でしか見たことなかったから知らないだけで、実際はこういう人なのかも。
「背の低い男子って、どう思う?」
「……はい?」
思わず顔を上げた。
なんの話だ。……そう思って。