妄想ラブレター
「そうそう、これってどういう意味だよ」
「さぁ? それは自分で考えてよ。ラブレターを送った相手に意味を問うなんてナンセンスもいいとこでしょ」
「うーん……」
そう言って瀬戸は頭を掻いた。眉間には深い深いシワを刻みながら。
考えろ考えろ。
それを受けて瀬戸は何て手紙を書いてくるんだろう?
「アキー、なに読んでんだ?」
声をかけてきたのは、さっきまでサッカー部の仲間と話し込んでいたはずのカン。
カンが声をかけた瞬間、瀬戸の俊敏な動きによりあたしの手紙はズボンのポケットにしまわれた。
「あっ? なんだよ。なに隠したんだ?」
「な、なにも!」
「嘘つけ。明らかになにか隠したじゃねーか」
「別になんでもねーよ」
「いーや、おれは見たぞ。……あれは、そうだな……手紙みたいだった」
そう言って手を顎に当てて、ニヤリと笑う。