妄想ラブレター
「なぁツヤコ、さっきアキが持ってたのって手紙だろ?」
「さぁ? どうだったかなぁ」
「……はぁ?」
あっ、カンってばあからさまに怪しいって顔してる。
なんか……変な汗出てきた。
「なんだよ2人して怪しいぞ。さてはさっきの手紙…………ラブレターか?」
ぎっくーん!
「ははっ、何言ってんだ。今時そんなもん書くやついないだろー?」
そう言って少し大げさに笑う瀬戸。けどあたしには分かる、君、目が笑ってないからね。
しかも自分で言いだした事を自分で否定するなんて、今どんな心境でそう言ってるのかが知りたくて仕方ないんだけど。
でもひとまず今は、カンを追い払う事に専念しなきゃ。
「そうそう。このネット社会で今時ラブレターはないでしょー」
「まぁ、それもそうだけどよ」
「でしょー?」
おっ、いい感じ。このまま話を逸らして……。
「ならアキ、その紙何なんだよ? 別に見せてくれてもいいんじゃね?」
コイツは……マジでしつこい。