妄想ラブレター
カンは隙をみて瀬戸に詰め寄り、ポケットの中を探ろうと羽交い締めにし始めた。
「おい、やめろって!」
「なーんだよアキちゃーん。そんなに見られたら困るもんでも隠してんのかぁ? さては手紙と見せかけて、エロ本か?」
おっと、コイツアホかな。んなわけないじゃん。そもそもポケットなんかに入るわけないじゃん。
「バカか! そんなもん入る分けねーだろ!」
うんうん、同意見。瀬戸、もっと言ってやって。
「じゃあ見せてみろよ。確かめてやるから」
「おい! さわんな! やめろって!」
カンがあまりにもしつこく攻めてくるから、とうとう瀬戸がキレた。
覆い被さるように攻めの一手だったカンの腕にしがみ付き、小柄な体は柔軟にもカンの背後に回って卍固めを決めてる。