妄想ラブレター
「ぐっ、タンマ……俺がわる、かった……」
「もう二度としないと誓うかコラ」
「ち、かい、マス……」
満足した様子で瀬戸はカンを解放した。
まだ腕が痛いのか、カンはしかめ面で腕をゆっくり回してる。
「勘太郎、ハウス!」
そう言って教卓前の席を指差した。
「……最近、冷たくね?」
「安心しろって。元々こうだし」
「ひでぇ」
カンはしぶしぶ席へと戻って行った。どこか楽しそうに、軽やかな足取りで。
男子って、よくわからない生き物だ。
今の一連の流れで、どこが楽しい要素あったのだろうか。