妄想ラブレター
*歌
*
翌日、あたしの下駄箱には真っ白な便せんが一通入っていた。
それは間違い無く瀬戸だ。
名前すら確認せず、それを鞄の中にしまった。折れたりしないよう、ノートの隙間に挟み込んで。
……瀬戸はどんな手紙をよこしたのだろう。
なんかちょっと気になるじゃないか。
気にはなるけど、教室では読めない。あたしがそう言ったんだし。
トイレ寄ってく?
トイレなら個室だし、バレないしいいよね。
でも、あんまり時間なさそうだな。
スマホをポケットから取り出し、画面の電源を入れた。
時刻は8時34分。
あと6分でHRが始まってしまう。
仕方なくスマホをポケットに直し、肩から下げてる鞄を担ぎ直して教室へと向かった。