妄想ラブレター






あれから一ヶ月が過ぎ、あたし達は相変わらず幾度となく手紙を送り続けた。


ラブレターという名の告白。


そこに綴られた内容にに、一切真実なんて無い恋心。


さすがに毎日とはいかず、不定期に下駄箱の中へ投函されるラブレターの設定は、早い段階で底をついた。


ある時は、先輩に恋をした設定。またある時は部活で恋に落ち、またまたある時は転校生に恋をした設定……。


それでも底をついたあたしは、学校という枠を外し、空想の世界で恋に落ちたというちょっぴりファンタジーな手紙まで書いた事もある。


平安時代の設定で和歌や短歌を送ったり、はたまた通学途中、旅行先で出逢って恋に落ちたり。



そんな風に手紙を出し合いつつ、休み時間にはたわいない会話をしているうちに、あたしと瀬戸の仲は自然と深まっていった。



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