妄想ラブレター



「ツヤコ、また朝から寝ようとしてるだろ」

「成長期だし? アキももっと寝ればいいと思うよ」

「それ、朝からケンカ売ってる?」

「朝からそんな怖い顔しないでよ。アキの事を思って言っただけなんだから」

「余計なお世話だな」



あたしとアキは名前で呼ぶ仲になっていた。


キッカケはなんだっけ? 確かカンにつられて、あたしの事をツヤコって呼んだのが始まりだったと思う。


あたしもカンにつられるように瀬戸の事をアキって呼んでた。


お互いごくごく自然な流れで。


それだけあたしとアキと、ついでにカンはよく一緒にいた。


アキとカンはよく男子とつるんでるせいか、一緒にいるあたしが珍しいらしく、別のクラスの友達には不思議がられたり、「付き合ってるの?」なんて事も言われる。


今まではカンとそう言われる事が多かったけど、最近はアキとの仲も疑われてたりするらしい。


本当にみんな、そういう話好きだよね。



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