妄想ラブレター
「……瀬戸くんって、カッコいいよね」
そう言ってほんのり頬を赤らめたのは隣のクラスの友達、まおみ。
彼女の白い肌に赤らんだ頬が、チークのようにふんわり色をつけていた。
……ん?
「瀬戸って、あたしのクラスにいる……?」
「そ、艶子の前の席に座ってる瀬戸くん。ってか、他に瀬戸って名前の男子いないでしょーが」
そうなの? でもあたしは他のクラスの男子全員の名前なんて知らないし。
「でもさ、背が低くてもいいの?」
アキはあたしと変わんないくらいの身長だよ? 多分まおみのがアキより背が高いと思うけど。
そう思いながら目の前に置かれたポテトに手を伸ばし、一緒に注文したシェイクをすする。
まだまだ育ち盛りなあたし達はお昼ご飯のお弁当だけではお腹が満たされない。だから今日は地元が一緒のまおみとマックで夕食前の腹ごしらえ中。
「身長なんてまだこれからだって伸びるでしょ~」
「じゃあまおみはアキのどこがいいの?」
「どこって、カッコいいじゃない」
だからどの辺りがカッコいいのか知りたいんだけど。