妄想ラブレター
別にいい。
そう返した……つもりだった。
けれどなぜか、言葉は出て来ない。
おかしいな?
そう思って喉に手を当ててみる。けど、上手く言葉が出て来ない。
まるで絞り袋のように喉の内側が絞られて声を出せないようにされてるみたい。
それにお腹には力が入らなくって、胃の辺りがもやもやする。
「はー、やっぱりねぇ〜。そうじゃないかって思ってたけど」
なにが? なにがやっぱりなの?
まおみは頬杖をつき、やさぐれるようにポテトをもぐもぐと食べだした。
……なんでちょっと怒ってんの?
そう思って再びシェイクを手に取った。
絞られている喉に流し込んでみると、ひんやりとした冷たいのどごしを感じさせながらそれは胃の中へと流れてゆく。
ただその甘さが余計に喉を締め付けながら。