【短編】ツンデレでクールな彼氏
温かいKiss
「すば、る……?」
「後ろ向くな、前見ろっ」
あたしは後ろに向けかけていた顔を、前に戻した。
「昴、どうしたの?」
「どうもこうも、お前が泣いてるから」
「だから、来てくれたの?」
「悪いかよ」
あたしは大きく首を横に振った。
悪くなんかない。
嬉しいの。
昴が、あたしのために来てくれて。
「今笑っただろ?」
「笑ってないよ」
「ぜってぇ笑った。別にお前のためじゃねぇからな」
そんなぶっきらぼうな言葉も、
今はすっごく嬉しいよ。