7年先も、キミを想って。
*夏祭りでの出会い*



いつもと同じ時間に家を出て、いつもと同じ通学路を歩く。



「行ってきます」


そう、誰もいない家に呟き家を出た。

私の家から高校までは約30分、まだ近い方、私の友達は家から学校まで1時間位かかるって言ってた。


朝練も無いのに、こんなに速く家を出るのは私位だろう。

家を7時に出て30分に学校に着く。

そのおかげで遅刻は今までしたことがない。


正門を抜けるとバスケ部のボールが床に打つ音が聞こえる。

廊下ではほうきで掃除をしている運動部員がいる。

私が2年生だからか、1年生達が少し頭を下げた。

私はそれに応えてから職員室へ鍵を取りに向かった。

トントン…

「失礼します。」

「あ、東城(トウジョウ)、おはよう。鍵だろ、」

「はい、そうです。」

「悪いけどこれ、教室まで持って行ってくれるか?俺サッカー部見なきゃいけねーんだわ」


そう言って頼まれたのはクラス全員のノートだった。


「良いですよ。」

「悪いな、じゃっ」

そう一言言い残して担任の田中先生は走って行ってしまった。



何か流れで良いですよって行っちゃったけど、かなり重いし、運べるかな?

あぁ速く行かないと朝練終わっちゃうよ……

今日はバット持つのかな?…昨日はずっと後ろで走ってたし、遅刻でもしたのかな?


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