7年先も、キミを想って。
「日和(ヒヨリ)〜」
「あ、和人(カズト)。おはよ」
「おはよ~」
と走ってくるのは幼馴染みの和人だった。
「日和は相変わらず早いね~、まぁ、愛しの拓斗(タクト)君の練習姿を見るのが楽しみでたのしみで仕方ないんだもんねー」
そんなことを言いながらも、ノートを持ってくれたりするから、女子にモテるのだろう。
「うっさい!何でそんな恥ずかしい事をすらすら言えるのかな。………そう言えば、和人サッカー部は?」
「今日は水曜日だから朝練な〜し」
「ぁ、そっか、水曜日か………水曜日!?」
うわぁ、忘れてた、今日水曜日だ…………
「そう、水曜日、野球部も無し。んで、拓斗が教室に遊びに来る日。」
「しっ、知ってるよ!」
そうだ、今日は城乃(ジョウノ)君が教室に来る日だった。すっかり忘れてた……
「鍵プリーズ」
「どーぞ。」
はぁー、やっと着いたー。重かった……これ、和人がいてくれなかったら大変だったな、7時40分か、いつもより10分遅かったなぁ、まぁ今日は良いんだけど………
「なぁ日和、ちょっとは勇気出して声掛けてみるとかしろよ。ずっと待ってるだけだとしんどいだけだぞ。」
「わかってるよ。わかってるんだけど、その、なんか、笑ってる顔見てるだけで十分ってゆうか………」
「それがダメなんだよ、それが」