7年先も、キミを想って。


*藤崎和人*

ついに言ってしまった。日和は鈍感だから、今いったのが全て自分のことだとはわかっていないだろう。

よりにもよって、何でお前のことを好きになるんだよ。幼馴染みってだけでハンデあるのに、お前は俺の親友を好きになった。しかも両想いだなんて。

「ごめんごめん、変な空気になっちゃったな、俺のことはもういいから、早く飯食おうぜっ」

「そ、うだね。早く食べなきゃね……けど、1人で抱え込まないでよ。私達、幼馴染みなんだから。」

『幼馴染み』その言葉がつくだけで、俺は心が痛む。

「そうだな、ごめん。今度からはちゃんと言うよ、さっ食おう食おう」

「うん!」


…数分後


「ご馳走様でしたー」

「うまかった~もう食えない」

和人食べ過ぎ、とか言われながらも俺たちの昼食は終わり、近づいている学園祭の話になった。

「日和んところ何すんの?」

「クラスの方はメイド喫茶、午後からはバンド演奏だよ、合わせるの難しくてさっ」

「日和がバンド?キーボードか?」

と聞くと当たり~と嬉しそうに言ってきた。
キーボードはピアノと違って軽いからやりにくいらしい。

そのまま学園祭についての話をしながら教室まで歩いた。

「たまには誰かと一緒に食べるのもいいね。」

「だろ?日和はいつも音楽室で食べてるんだっけ?」

「うん、楽譜の見直しとか、色々。食べ終わったらすぐピアノ弾かせてもらえるし。」

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