7年先も、キミを想って。
「日和!お客さん来てるよ!」
「あっ、わかった!行ってきます」
心の中で何度もセリフを繰り返しながら入口へ向かった
「いっ、いらっしゃいませ、ご主人様。」
と練習よりはマシに言えて少し安心した。
けど、下げた頭の上からは笑い声が聞こえ、顔を上げたら
「かっ、和人……」
「日和、メイド喫茶って言ってたけど
メイドだったんだ!ハハハっ、お前大変だな!」
「和人!笑いすぎ!いいじゃん別に!東城似合ってるんだしさ、一生懸命やってるんだし!」
隣にいた城乃君が和人にそう言ってくれた。
私は一応「何名様ですか?」と聞いた。
なら案の定2人と答え席を案内し、メニューを渡し、綾たちの元へと戻った。
けど少しして、城乃君と和人はパンケーキを頼み、出来立てのものを運びに行った、のはいいものの、ここからが地獄だった…
「じゃっじゃあ、ホイップをかけますね……おっ、おいしく、なーれ、おいしくなーれ………」
魔法をかけさせられた。
和人は爆笑。城乃君は少し顔を赤くなりながらハート型のホイップを見ていた。
「ごごごゆっくりお召し上がりください!」
と言い、戻った。
「日和お疲れー!可愛かったよー、魔法の呪文!」
「見てたの!?あんなバカなことを考えたのは誰なのよー」
綾はわらいながら「それ私〜」と言った
自分がメイドじゃないからって好き放題言って!おかげで和人に爆笑させたじゃん!
「はいはい、喧嘩はおしまい!日和!次行く!」
「はっ、はい……」
そんな感じで前半は顔を真っ赤にしながら、一生懸命に働いた。
そして前半終了。私は制服に着替え、綾と2人で回ることにした。