7年先も、キミを想って。


シーンとしてたら本も勉強もはかどるのにな……でもそんなことを考えれたのも一瞬だった。

「ちーっす!」

「!!!!」

「よう!拓斗!おはー」

「やっぱ皆来てねーな」

「まぁな、朝早いしな」


どうしよう、どうしよう どうしよう どうしよう。教室で3人って、チャンスだよね…けど、なんて言ったら良いんだろう、「おはよう!」かな?「おはようございます!」………わかんないよー、和人!たすけて


「………?……!」


わかってくれたかな?

「俺、ちょっとトイレ行ってくるわ〜」

「おう、待っとくわ~」


ちょっと!和人、全然わかってない!……?

(ガンバレ)


って言われても!……でも、こんなチャンスもう絶対ないよね………

少しの沈黙が続き、私は口を開いた。


「あのっ!……えっ、と…」

「ん?」


どうしよ、話しかけたのは良いものの、何を話せばいいんだろ、今更おはようも変だし、かと言って黙ってるのもまた違うし……

そう私が黙っていると、城乃さんが一言聞いてきた。

「……髪、切った?…」

「え?」

「あの、前髪……短くなってるから…」


え!?ちょっ、どうしよう、今私、すごく嬉しい!和人でも気づいてなかったのに、まさか城乃さんに気づいてもらえるなんて、しかもすっごく笑顔で言ってくれるし!

「あっ、はっはい!きっ切りました!きっ、気付いてくれてありがとうごさいます……」

「ハハっ、なぁ、敬語やめてよ、俺、敬語で話されるの苦手なんだよな」
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