7年先も、キミを想って。


「ハハハっ」

「何だよ!」

「別にっ、今日は素直だなって思っただけ」


意外と星夜が可愛かったから、つい笑ってしまった


「ほらっ、行くぞ!」

「ハハっ、はーい」


星夜の意外な一面を見れて少し嬉しかった。

星夜は見た目は怖そうだけど、話してみたら優しいところもあるし、可愛いところもあると知った。


「ただいまです、遅くなってすいません」

「おっ、帰ってきた、これで全員揃ったな。んじゃ、これから講堂に楽器持ってくから、皆で協力して運んでください!」

「「はい!」」


4階から1階の講堂まで15kgもあるキーボードを降ろすのは簡単じゃない。軽いやつなら6kgぐらいなんだけど、学校にあるのはプロ用らしい


何でこんな重いの買ったのよー、



「重いならそう言えよ」

後ろから星夜の声が聞こえた。

「いいよ別に、頑張ったら持てるし。それに、エレベーターまではもうすぐだし、星夜もドラム降ろさないと……」

「俺は朝降ろした 、ほら、貸せって。楽器が壊れる。」

星夜はそう遮って、キーボードを持ってくれた、15kgもするものを軽々と。

そのまま講堂まで運んでくれて、私がお礼を言うと、星夜がそっぽを向きながら言った


「別に、楽器が壊れたら嫌だし、後、いつもの礼っていうか……」

星夜はストレートに気持ちを伝えるのが苦手だけど、これが星夜なりのお礼みたいだ。

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