7年先も、キミを想って。
私はキーボードのセット、汐里ちゃんと裕太先輩と高谷さんは弦の確認、星夜はドラムの組み立て、香穂は歌の練習を、皆の準備が終わったら丁度いい時間になるだろう。
そして数分後、それぞれの準備が終わり、お客さんも講堂に集まって、少し賑やかになりつつ、それと同時に、私達の鼓動も速くなってきた。
そんな中私は皆よりも緊張し、手は震え、足も震え、ガチガチだった。
そんな私とは真反対で、星夜は落ち着いた様子だった。黒色の音楽プレイヤーにイヤホンを繋ぎ、音楽を聴いていた。
そんな星夜を見ていたら目が合い、「ん」と一言だけ私に言いながら左耳のイヤホンを渡してきた。
それを素直に受けとり、星夜の隣に行き、耳にはめた。
その曲は、この前の練習の帰りに星夜に教えた今日だった。
あ、この曲、私の好きな歌だ。
聴いてくれてたんだ。